ヘアサイクル 乱れ 原因

全ての薄毛の原因は、ヘアサイクルの乱れによるものと言われています。

ヘアサイクルとは、1つの毛穴から髪の毛が生えて成長して伸びていき、自然と抜け毛になるまでの周期を言います。

ヘアサイクルは、発毛→成長期→移行期→休止期→抜け毛→発毛・・といった繰り返しのサイクルです。

健康であれば、成長期は約2~5年間あり、1~2メートル程髪の毛は伸びます。

薄毛の多くは、髪の毛が伸びる成長期が短くなり、髪の毛の成長が止まる休止期が伸びる傾向があります。

休止期が増えると、髪の毛が生えてこない状態になり、薄毛になってしまうのです。

ヘアサイクルの乱れを改善するには、育毛剤を使えば治るのでしょうか?

そこで、ヘアサイクルの乱れの原因、サイクルが戻るまでの期間、育毛剤を使った乱れの改善についてご紹介します。

ヘアサイクルの乱れの原因は?

ヘアサイクルの乱れの原因は、髪の毛を作る毛母細胞が不活性(働かなくなる)ことによります。

髪の毛は、頭皮の毛穴の奥にある毛母細胞にて、タンパク質を角化してケラチンという固く細くした細胞です。

毛母細胞がケラチンで髪の毛の細胞を作るたびに、毛穴から押し出されるように髪の毛が伸びていきます。

髪の毛は、ツメが伸びるのと同じように細胞分裂により、古い細胞を押し出して伸びていきます。髪の毛の細胞は、ツメと同じで「死んだ細胞」になります。

では、髪の毛を作る毛母細胞が働かなくなるのはなぜでしょうか?

<ヘアサイクルが乱れる原因とは?>

  • 頭皮の血行不良

    頭皮は血行不良になりやすく、毛細血管から血液が届かないと毛母細胞が弱り、ヘアサイクルの乱れになります。

    頭皮には、皮膚のすぐ下に毛細血管が張り巡らせられています。毛細血管は生え際・頭頂部といった頭皮が固めの頭部には少ない傾向にあります。

    毛細血管は酸素や栄養を運ぶ赤血球がやっと通れるくらいの細さしかありません。動脈から血液が流れてきても、スムーズに流れず、動脈の血液の流れに押し出されるようにしてゆっくり流れていきます。

    そのため、毛細血管は思った以上に血液が流れていません。

    また、毛細血管は動脈吻合(どうみゃく・ふんごう)といって、あまり流れない毛細血管は収縮して血液は別のルートを通るようになります。そのため、血流不良が起きている毛細血管は、消えてしまうことがあるのです。

    毛細血管の血行不良のため、毛母細胞に血液による栄養が不足して、髪の毛を作る能力が落ちて、細く・柔らかい髪質になります。そうすると、髪の毛が抜けやすくなります。

    このため、脱毛することで、ヘアサイクルが乱れていきます。

  • 偏食による栄養不足

    偏食により栄養が偏っていると、毛母細胞が細胞分裂するための栄養が不足し、ヘアサイクルが乱れます。

    毛母細胞が細胞分裂して髪の毛を作るには、髪の毛の材料であるタンパク質を始め、亜鉛・マグネシウム・ビタミンB群といった栄養素が必要になります。

    栄養が偏っていると、体は生命に重要な臓器に栄養を集めようとします。肝臓・腸・副腎など生命維持に必要な臓器にエネルギーが行ってしまいます。

    頭皮は生命維持の優先度が低いため、栄養が十分に行き渡るには、バランス良く栄養素を取らないと栄養がいきわたりづらいのですね。

    特に髪の毛を作るには、細胞分裂に関係するタンパク質、酵素などが必要で、十分でバランスよく摂取する必要があるんですね。

    ヘアサイクルの乱れは、毛母細胞に栄養が不足することで髪の毛が正常に生育しないのです。

    そのため、髪の毛を作るために必要な栄養素をしっかり取ることが大事です。

  • 毛母細胞の活動を弱める男性ホルモン・酵素

    男性ホルモン(テストステロン)と5αリダクターゼという酵素が、毛母細胞の活動を弱めることが分かっています。

    テストステロンと5αリダクターゼによる薄毛は「AGA(男性型脱毛症)」と呼びます。

    テストステロンが血液を通して、毛母細胞に入るときに、5αリダクターゼ酵素がテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT)というホルモンに変換します。

    すると、毛母細胞の細胞分裂が不活性化してしまうのです。作られた髪の毛の髪質は、細く、柔らかい毛になります。

    すると、髪の毛が抜けやすく、ヘアサイクルの成長期が短くなっていきます。髪の毛が5年伸びていたものが、3年になり、1年になり、そして最後は、産毛だけが生えて、すぐ抜けてしまうようになります。

    AGAは、頭頂部・生え際・剃り込みに起きやすく、髪の毛が細く、柔らかくなるのが特徴です。

    AGAを治療するには、DHTを減らすなどの対策が必要です。

ヘアサイクルを改善するのにかかる期間は?

ヘアサイクルの乱れを改善するには、最低でも4ヶ月~、安定するのに6ヶ月~1年程度かかります。

髪の毛の成長サイクルは、移行期が3―4週間、休止期が3ヶ月、成長期が3~5年程度です。成長期の髪の毛が伸びる長さは、1日約0.2~0.4ミリ、1ヶ月で0.6センチ~1.2センチ程度伸びます。

抜けた毛が、生えて目に見えて改善が分かるのは、6ヶ月位でしょうか。

ヘアサイクルの乱れは頭皮のあちこちで起きているので、同時に直すにはそれなりに時間がかかるんですね。

安定して髪の毛が生えていることを確認するには、1年程度見ておく必要があります。

一度、髪の毛が生えてきてもまた脱毛してしまうこともあります。強い育毛薬を使ってすぐにやめると、薬のリバウンドにより髪の毛が抜けてしまうことがあるんですね。

ですので、ヘアサイクルの乱れを改善するのは、時間がかかると思って、じっくり進めていくことが大事です。

結果を急ぐと、結果的に頭皮にダメージを与えてしまうなど、髪の毛の復活に時間がかかってしまうので注意が必要です。

ヘアサイクルの乱れを育毛剤で改善できる?

ヘアサイクルの乱れを育毛剤だけで改善するのは、難しいといえます。

栄養不足、血行不良による薄毛の場合は、育毛剤よりも頭皮マッサージや育毛サプリメントなどで栄養補給したほうがよいです。

AGAの場合は、育毛剤で髪の毛を育てようとしても、DHTを減らすことができなければ抜け毛・脱毛は改善されません。

DHTを減らすには、フィナステリドという育毛薬で減らすしかありません。他にDHTを減らす育毛薬は海外にありますが、日本では副作用などの問題がクリアになっておらず、認可されていません。

フィナステリドの育毛薬は、医師の処方が必要で、ドラッグストアでは購入はできないです。

育毛薬(発毛薬)として、ミノキシジルがあります。ミノキシジルは、髪の毛を生やす効果があります。ただ、ミノキシジルだけでは、DHTを減らす効果はないため、AGAの根本改善になりません。

AGAによるヘアサイクルの乱れを改善し、髪の毛を生やすには、フィナステリドとミノキシジルを一緒に使うことが基本的な治療になります。

AGAの薄毛かどうかは、AGAクリニック・皮膚科などで、薄毛の専門家の診断をしてもらうことが大事です。

自己判断で薄毛治療をすると、遠回りになるので、できたら早めにAGAかどうかの診断をして、原因に応じた治療を行ってください。

ウッチャンより一言

  • ヘアサイクルの乱れは、血行不良・栄養不足・男性ホルモン/酵素による影響などがある
  • ヘアサイクルの乱れが改善する期間は4ヶ月~6ヶ月、安定するまで1年は見ておきたい
  • AGAによるヘアサイクルの乱れは、AGAかどうか診断をしてもらい、適切な対策をする