発毛剤として、塩化カルプロニウムはAGAに効果があるのでしょうか?
塩化カルプロニウムは、カルプロニウム塩化物を有効成分とした発毛促進剤として知られています。
医師の処方としても、フロジン溶液5%として処方される成分です。
ですが、ミノキシジルと比較して、AGAへの発毛効果はあるのでしょうか?
塩化カルプロニウムは、40年ほど前から使われて効果がある方もいるようですが、実際のところの発毛効果が気になります。
塩化カルプロニウムを使った発毛促進剤も、まだ開発が進んでいて、新製品も発売されています。
発毛促進剤としての塩化カルプロニウムは根強いファンがいるんですね。
そこで、AGA治療として塩化カルプロニウムは効果は有効なものか、ご紹介します。
塩化カルプロニウムはAGAに効果ある?
日本皮膚学会のAGA診療ガイドラインによると、塩化カルプロニウムは「ランクC1:行っても良いが、十分な根拠がない」という評価です。
AGA診療ガイドラインのランクC1は、発毛効果が認められることがあるが、ハッキリした効果を認めるレベルではないといったところです。
ですので、塩化カルプロニウムを使った発毛剤は、試してみる価値がある発毛剤と言えそうです。(ちなみにランクが一番高いランクAは、ミノキシジルとフィナステリド(プロペシア)のみ。)
塩化カルプロニウムの育毛剤としては、第一三共ヘルスケアの「カロヤン」シリーズが有名です。
カロヤンシリーズは、発毛促進薬「カロヤンアアポジカ」「カロヤンプログレ」、薬用の育毛シャンプー「カロヤンプログレ・スカルプシャンプー」などがリニューアルしています。
カロヤン・シリーズは、Amazonや楽天の口コミ情報を見ますと、効果がある方と効果が実感出来ない方の両極端に評価が別れています。
塩化カルプロニウムは、有効成分は「カルプロニウム塩化物」で、血行促進による血流増加の効果があると言われています。
血流増加の効果は、ミノキシジルと似ていますが、発毛効果がある証拠(エビデンス)はハッキリ示されていません。
ですが、塩化カルプロニウムとヒノキチオールという生薬を一緒に使うと、89.3%以上の方が軽度以上の発毛効果があったとされます。ヒノキチオールは、檜(ひのき)の木から取れた成分で、殺菌効果・炎症の消炎効果・浸透力がある成分です。ヒノキチオールは肌の酵素に働きかける、美白化粧品・歯磨き粉などにも使われている成分です。
また、塩化カルプロニウムとチクセツニンジンチンキと一緒に使うと、毛乳頭細胞を活性化することがあると言われています。
チクセツニンジンチンキは、竹節人参という生薬から作られる成分で、育毛効果・精力剤などの効果がある漢方としても使われています。
第一三共ヘルスケアによると、塩化カルプロニウム+チクセツニンジンチンキの組み合わせで、AGAで顕著に変化があったのは、約30%。軽度以上の改善率は89.5%になります。
症例数が約90人程度なので、バラつきがあり十分なデータではないですが、使ってみても効果がある可能性はありますね。
塩化カルプロニウム+チクセツニンジンチンキは、AGAよりも円形脱毛症や女性の薄毛に効果が高いようです。男性は皮脂が多いため、効果が出づらいのもあるのかもしれません。そのためか、カロヤンのスカルプシャンプーは皮脂が多めの方でも使えるようなシャンプーになっています。
塩化カルプロニウム2%外用の副作用は、発汗・炎症・かゆみなどです。副作用の発症率は約3.5%です。塩化カルプロニウムは頭皮に塗るタイプで、ミノキシジルよりは副作用が弱いでしょうか。
AGAに対しては、塩化カルプロニウムは試してみる価値はあるものの、AGAの軽度なら試してもよいと思いますが、進行した薄毛改善は難しいと思われます。
塩化カルプロニウムは女性の薄毛に向いているようですね。
ウッチャンより一言
- 塩化カルプロニウムは、日本皮膚学会の評価はC1で、試してみてもよい発毛促進薬
- 塩化カルプロニウムの育毛剤は、第一三共ヘルスケア「カロヤン・シリーズ」が発売されている
- ミノキシジルと塩化カルプロニウムと比べると、発毛効果はミノキシジルの方が高い